<出演者紹介❸> 中ムラサトコ featuring 泰山咲美

初めて見たのは、おそらく約20年前の東京のどこか、ソロで歌われていた中ムラサトコさんのそのパフォーマンスに衝撃を受けた。唄声が身体の奥にしっかりと届く響きがあることに加え、手先、指先、表情、すべてを使いたった一人で多様なステージを作っていたこと。すごい人を知れたと思い、ライブ後にCDを買った。「素暦(MOTOGOYOMI)」という4月から始まり、春夏秋冬を駆け抜けてまた春に向かう3月で終わるアルバムだった。強烈な印象つけられた中ムラサトコさんだったが、彼女が飛騨高山出身と知ることも、親しくなれたのもそれからだいぶだいぶ後のこと。

サトコさんのライブを観ていると旅をしているかのような気持ちになる。ジプシー音楽のような激しくも切なさもあり、美しい自然の情景が浮かんでくるようでもあり、人間の感情の起伏だったり、いろいろな気持ちにさせてくれる。たくさんの表現方法を持っており、それを一人でやってしまう彼女は、飛騨高山が生んだボイスパフォーマーであり、ドキュメンタリー映像作家であり、先に紹介した上の助空五郎氏のお姉様である。『劇・野麦クロニクル』でのさるぼぼ役として出演して頂き、中ムラサトコ作詞作曲の「さるぼぼの唄」を熱唱し、観るもの全員の心をロックしたのは忘れられない。先の野麦峠まつりでは、野麦峠で「糸引工女の唄」を丁寧に丁寧に歌われ、その声は乗鞍に木霊していた。

現在、岐阜県東白川村と愛媛県松山市の二拠点暮らしをしているサトコさん、今回は松山市出身のダンサー泰山咲美さんと一緒に野麦学舎のステージへ。ちなみにサトコさんの導きで様々な瀬戸内の風が野麦に届く。芝居で出演してくれる 2Bさん、そして、尾道のチョコレート工場「USHIO CHOCOLATL」も野麦にやってくる。天真爛漫、自然のままに生きる中ムラサトコさんの活動は、彼女のレーベル名「天然packing」、まさにそのままである。

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中ムラサトコ

ボイスパフォーマー、映像作家 

1972年3月30日生まれ 岐阜県高山市出身

変幻自在なボイスパフォーマンスと、哀愁漂う足踏みヲルガン弾き語り、はたまたエネルギー炸裂の太鼓叩き語りの歌い手として活躍。

自身の4人の子育てを通じて得た経験から、乳幼児の為の芝居や、特別支援学級に通う子ども達と作るワークショップなど、子ども達との関わりの中での表現を大切にしている。

ノルウェー公演をはじめ、フランスのサラヴァレーベルのコンピレーションアルバムなどに参加。画家ミロコマチコの絵本「けもののにおいがしてきたぞ」の音楽制作、様々なダンスや芝居とのコラボレーション等、多岐にわたる分野で活躍。

乳幼児の為のお芝居「ぐるぐる」を20年間上演(2014年厚生省児童福祉文化財作品)。

アートワークショップ「オトのサンポ」講師。

近年はドキュメンタリー映画制作に取り組み、『ふたたびまたたび』『Jaaja』『アマカラな子ドもたち』等、音楽活動を通じて知り合った表現者達や子ども達を題材とした作品を作り続けている。

2023年4月〜7月、西脇市岡之山美術館にて、映像作品の展覧会「ご近所ラビリンス」が開催された。

「誠実で、でたらめで、楽しげ」が人生のテーマ。

泰山咲美

ダンサー/振付家
愛媛県出身、在住。

2016年度NPO法人Dance Box「国内ダンス留学@神戸」5期修了。これまでに黒沢美香、黒田育世、山﨑公太、キム・ジェドクなどの作品に参加。
中ムラサトコ「水平線の見えるところ」MV出演。
演劇では、劇団どくんご「誓いはスカーレット」(2018.)ツアーメンバー。
劇団カムカムミニキーナ「サナギ」(2021.)出演。

2022年に一児の母となり心機一転、振付家として作品創作を本格的に開始。作品に「Signal Circuit」(2023.)などがある。
また、地元砥部町の民話を元に子どもたちと演劇を作る活動も。全国の民話に興味を惹かれている。

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