野麦学舎祭2023 ありがとうございました

野麦学舎祭2023、無事開催することができました。

今年の学舎祭はなんといっても、今年1月から始めた野麦イササの稽古の成果を見せることが目標でした。昨年、半世紀ぶりに野麦イササが野麦学舎祭で復活したものの、稽古の時間があまりに少なく、みんな全然踊れなかったので、こりゃ来年に向けて稽古をしていかないとと誓ったわけです。高山出身のヴォードヴィリアン 上の助空五郎さん が「飛騨の民謡に感ける会」を立ち上げ、イササを中心とした練習会を月1で開催、そこからどんどん輪が広がっていき、飛騨各地はもとより踊りの聖地 郡上、白鳥からも、そして齢90にもなる野麦出身のばあちゃんたちが話を聞きつけて毎回参加してくれるようになりました。唄も踊りも独特で難しいけれど、野麦に伝わってきた先人たちの感覚を繰り返し習うことで、野麦の感覚を覚えていく稽古でした。

8月13日 野麦学舎祭

昨年につづき台風の接近にヒヤヒヤしたものの、良い天気。暑い夏には流しそうめんだと、急遽、巨大流しそうめんがラインナップに加わりました。飛騨の茅葺職人 藤原拓馬さんと庭師の宮前慧さんがすごいのを作ってくれ、そこに飛びつく子どもたちの姿がたまりません。結局、この辺境の地 野麦で私たちがやりたいこと、やるべきことは子どもたちにどんな原体験をさせられるかにかかってくるように思います。子どもたちが成長していく中で、野麦が一つのタネとなり、いつか何かの形で花ひらくんじゃないのか。そしてそのためには大人たちが全力疾走してカタチ作ろうとする姿を子どもたちに見せることが大切なんじゃないかと思うのです。出演してくれたひばりちゃん(小5)がinstaで残してくれた「(野麦学舎は)今と昔が混合していて不思議な場所です。」 小学生にそういう感想を持ってもらえて、ヨシっ!な気分です。ちなみに流しそうめんは、Village音楽塾の小中学生バンド「カワリモノ」の演奏をバックに行いました。その曲は fishmans の「頼りない天使」、想像を超えた素晴らしいコラボレーションでした。若い世代からのエネルギーを受けて、私たちも元気になる。

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日が暮れた頃、PLUTATAのライブで全員集合したグランドで、盆踊りの時間。今年の野麦イササは良かった!なかなか合格点をもらえない野麦のばあちゃんたちや集落の方からも良かったと言ってもらえました。マイクをオフにして、生声で小さな輪から始まった野麦イササ。前列で踊っていたので全体は見えてなかったけど、あとから映像で見たら、初めての人も見よう見まねで踊ってくれていました。盆踊り、前の方がしっかりしてれば自然に輪が広がっていくものなんですね。それが今年は出来たことは、これまでの積み重ねだったと思います。そして、映像で初めて気付いた遠くでの稲光、野麦からちょっと離れたらすごい土砂降りだったそうで(昨年もそう)野麦が守ってくれて、天からも踊ってくれていたのかなと思うとありがたいばかりです。

映像記録:まきしまあさこ

イササに続いて、ちょいなちょいなが唄い踊られる。草津節として有名で7拍子の簡単なステップなのですぐに覚えられるし、リズムもあって楽しい。野麦や白鳥では踊られてて、高山では踊られてない、この文化の流れも面白い。ちょいなちょいなも生声で野麦のばあちゃんたちと「飛騨の民謡に感ける会」の面々がかわりばんこで唄回し、お見事でした。そして、最後は飛騨やんさで櫓を囲んでグランドいっぱいの輪ができました。野麦飛騨やんさバンド(上の助空五郎、中ムラサトコ、ルーメンズ、森茂浩一、久田上総、PLUTATA)で盛大な飛騨やんさが野麦の山に響き渡りました。今年はコロナ明け、猛暑の中、連日連夜の祭り続きでみんな疲れていたと思うけど、標高1300m、野麦のシャンとした空気を吸って、声を出して踊って、元気になれたんじゃないかな、と勝手に思っております。

野麦学舎祭に向けて、主要メンバーは1週間前からの泊まり込み、前日夕刻には多くの仲間が駆けつけてくれて、本番当日に一気に祭仕様へと仕上がりました。終えてみて、まず思うのは準備〜片付けまで駆けつけてくれる仲間たちのありがたさ、みんながいなければ到底やれないことをやっていることをひしひしと感じます。この先、この野麦学舎祭を積み重ねていくためには、多くの人の助け、力をずっと必要にしていくわけで、それが高山市街から1時間かかる野麦の地の難しさであります。ただ、参加してくれた仲間たちはみんな「いい祭だった」と笑顔で野麦から下って行ってくれたことが祭の希望です。尽力して頂いたスタッフ・出演者・出店者の皆様、本当にありがとうございました!そして、野麦まで時間を作って足を運んでくれた参加者の皆様がいての祭、ぜひとも来年以降も友達家族連れて一緒にまた来てくれたら嬉しいです。また野麦でお会いしましょう!


写真:大森亮(バナナボート・スタヂオ)

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